
川口市芝の静かな高台に佇む名刹、長徳寺。緑豊かな木々に囲まれ、歩くだけで心が落ち着くこの境内で、足元にひっそりと咲く可愛らしい花に出会いました。「ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)」です。
草むらの中で見つけたその姿には、思わず足を止めて見入ってしまいました。
- 反り返る花びら:白い花びらがくるりと後ろへ反り返り、中央に黄色と褐色の雄しべが突き出す独特の形。
- 柔らかな産毛:茎や柄をよく見ると、細かな毛がびっしりと生えています。
- ナス科ならではの愛嬌:まるで小さな妖精が踊っているかのような、野趣あふれる愛らしさがあります。
ヒヨドリジョウゴは、晩夏から初秋にかけて花を咲かせます。名前の由来には「ヒヨドリが好んで実を食べるから」という説がありますが、実際には冬になっても実は残ることが多く、どこか風情のある名付けです。
花が終わると緑色の小さな実をつけ、晩秋にはツヤのある鮮やかな赤色へと色づきます。歴史ある長徳寺の落ち着いた境内林のなかで、静かに季節の移ろいを告げてくれる野草。次は赤い実が実る頃、深まる秋の気配を探しにまた訪れてみたくなりました。
